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転生の意味

 「肉体の中に本当に生まれる(一つの生において完全に転生を遂げる)」とは、どういう意味でしょうか。「赤ん坊として生まれた時点で、人間は肉体 に生まれている」と考える人が多いと思いますが、それはちょっと違うのです。肉体への転生とは漸進的な過程であり、それは言ってみれば死ぬまで続くので す。

 その中でも「完全に肉体に生まれる」とは、肉体・知性・感情・精神性がバランスよく発達、成熟し、これらの全レベルにおい て自己が調和し統合され、100%人間として機能できるようになることを指します。この状態では、自己の肉体のあらゆる部分、それこそ細胞の一つ一つにま で、神聖な自己の本質(エセンティア=本質、内なる神性)がしっかりと顕現され、息づき、光を放っているのです。食べる、体を動かす、友人と語らう、恋人 と愛を交わす、その他人間としてのあらゆる日常の営みが、深い魂のよろこびをもたらしてくれるのです。

 この点から言えば、人類の大半は30%も肉体に転生し切っていないのです。

 訓練されたヒーラーによるヒーリングは肉体と魂、精神性の発達と統合を助けますが、本人の意識的・長期的な努力なしには、ヒーラーにできることには限界があります。ヒーラーはあくまで介助者であり、自己の癒しと成長は本人の手によってのみ成し遂げられるものだからです。

 バーバラ・ブレナンのヒューマンエネルギー分析システムを知った人の中で、「霊的なことに関与する5、6、7のレベルは、物質的なことに関係する1、2、3のレベルより偉い」と考えている人が時々いますが、これはまったくの見当違いです。

  人間としてフルに生きる(=物質世界に完全に転生し、それによって自己の神性/本質を物質世界に顕現できる)ために必要なのは、1〜7のレベルをすべてバ ランスよく発達させることなのです。第1レベルの肉体感覚と物質世界に生きる意志、第2レベルの自己感情と官能、創造力、第3レベルの知性と直感、第4レ ベルの対人感情と人間愛、第5レベルの高い意志と秩序、第6レベルの無条件の愛、知恵、洞察力、第7レベルの霊的理性と智恵、統合性、これらのすべてが等 しく大切なのです。

 極端に霊的、精神的世界に偏ったタイプの人が、1〜4のレベルを「低いもの」と見做したがるのは、実際には 自己の1〜4のレベルが弱いため、それを「重要でないもの」と考えたがるだけなのです。第1レベルが弱ければ肉体が脆弱で、物質的な営みすべてを厭わしく 感じます。第2レベルが弱ければ自分を愛することができず、性的にも未成熟です。免疫機能も弱いでしょう。第3レベルが弱ければ思考を整理して明確に表現 することができず、第4レベルが弱ければ人間関係が充実しておらず、ハートが閉じており、他の人間に対する愛を実感できません。こんな状態では、いくら 5〜7のレベルが発達していても、一緒にいて居心地のいい人とは言えません。このような人では、霊的経験はしばしば人生と現実からの逃避の場です。

 .... 第2レベルと第2チャクラに関して言えば、このレベルとチャクラは自己感情と同時に、官能と性的な感覚・意識に対応しています。つまり、自分の感情を感じ る能力と、性の発達は、不可分に結び付いているのです。官能の未発達な人は自己感情も弱く乏しく、またその逆も真です。別の言い方をすれば、性的な成熟 と、自己の性的な面との調和なしには、転生における人間としての経験は完全なものとはならないのです。ただしそれは、誰でも適当に相手を見つけて交渉を行 なえばいいということではありません。自分と相手のハートの間に深いつながりのないセックスは無意味です。

 特に女性について言 えば、楽しくもない(場合によっては苦痛でさえある)のに単に夫や恋人を喜ばせるために応じるセックスは、無意味であるだけでなく有害です。それは第2 チャクラを中心に腰のまわりにエネルギーの停滞や障壁を作り出し、そのパターンを長く続ければやがて婦人病や卵巣、子宮の病気を作り出します。エネルギー レベルから見れば、セックスは第2チャクラ、愛は第4チャクラに対応しますが、第2チャクラ(下腹部)と第4チャクラ(胸)が開き、その間に自然なエネル ギーの流れがなければ、「愛の通った」セックスは経験できません。

 セラフィエルの言う「最も暗い場所」とは、実際には、自己の 内にあって光の当てられていない(光を当てることを恐れている)部分を指します。この意味で、多くの人にとって第2レベルと第2チャクラ関連の問題は、お そらく最も光の当たっていない領域でしょう。この点に関して「自分は例外」と信じたがる人が時々自称「スピリチュアルな」人の中にいるようですが、実際に この問題を超越していると言えるのはごく一部の聖人ぐらいで、普通の人間に当てはまることではありません。ましてやフルに自己の人生を生きることを通し て、人々に人生の意味を示す役割を担うライトワーカーには当てはまりません。

 ヒーラーを志望する人にとっても同様です。ヒー ラーがヒーラーとして機能するには、自己の存在の全レベルとチャクラを、満ち足りた状態に維持することが必要です。肉体の手入れ、自分自身への愛、人間関 係、これらをすべてバランスされた形で自分に与えられることが必要なのです。いずれかが生活から欠けていれば、対応するレベルやチャクラのヒーリングを行 なうのは難しくなります。

 自分の体を大切にしないヒーラーは、患者に肉体の健康について教えることはできません。自分自身が愛 に満ちた人間関係を持たないなら、患者のハートを開くことはできません。自分自身を愛することが充分できず、官能面でも成熟していなければ、健全な形で自 己愛を学ぶことを必要とする患者を導くことはできないのです。自分自身が持っていない、あるいは自分に与えることができないものを、他人に与えることがで きると考えるのは、ケレウスの言葉を借りれば「幼い考え」、私に言わせれば「自己欺瞞」です。愛や慈悲は自分に強いて他に与えるものではなく、自分自身の 内面とハートが満たされている時に自然と溢れ出るものだからです。

 自己を犠牲にして他人に与える愛は、つねに代償を求めます ——たとえ表面上はどんなに本人がそれを否定しようと。むしろ本人がそれに気付かないでいるほど、その代償は歪んだ形で求められるものなのです。それに対 して自然に溢れ出る愛は、なんの代償も必要としません。というのはその源自体がすでに満ち足りているからです。

 自己の内面が満たされていないヒーラーは、無意識のうちに、患者との関係を通して自分の満たされない部分を埋めようとします。同じことはヒーラー以外のライトワーカーにも当てはまります。

  トランスフォーメイション(意識の昇華、変容、)とトランセンダンス(精神的超越)の両方を経ることなしには、アセンションに到ることはできない。そして 変容の道は影との取り組みを避けて通ることはできません。しかし精神世界系の多くの人が、トランスフォーメイションなしにトランセンダンスのみを通して、 あるいは自己の影から目をそらし、光のみを追い求めることでアセンションに到ろうとする過ちを犯しているということ。

 トランセ ンダンスのためのメディテーションやエネルギーワークとは、上位レベル(バーバラ・ブレナンの定義する第5、6、7レベル)のみに意識を集中するもので、 スピリチュアルなタイプの人にとっては、これはとても楽なのです。ただ自己を光で満たし陶酔感に浸り、あるいは人間のグルや「霊的存在」などから光とエネ ルギーを与えてもらえばいいのですから。

 しかし下位のレベルの問題を浄化をしないままに上位レベルにだけ集中している人は、前にも書いた通り、現実社会、物質世界、人間関係などにおいて満足に機能できておらず、かえってスピチュアルな経験、トランセンダンスの状態を、単なる逃避先としてしまっているのです。

  そして下位レベルの浄化、つまりトランスフォーメイションの土台になるのは、肉体、自己感情、知性、人間関係の浄化と充実です。毎日、自分の肉体と感情に 注意を払い、必要なものを与えるよう努めること。自分の感情について、妥協なく正直であること(ただしこれはあらゆる場合に自分の感情を人にぶつけるとい うのとは違います)。人間関係を含む外部の環境とは、最終的に自己の内面の反映であり鏡であると理解して、満たされない部分、スムーズでない部分について は、自分自身を見つめ直し、その原因を見つけて取り除いていくこと。こういった地道な努力を積み重ねていくことが、結局アセンションへの早道なのです。

  「アセンション」を加速する(すなわち個々の進化の次のステップに向けての癒しと自己成長を助ける)エネルギーレベルの調整は、ライトワーカーズのクラス 中に行われていますし、各自で実行できるエネルギーワークのテクニックも教えています(必ずしも「アセンション」というラベルをはっていませんが)。しか しこれらはあくまで一助であり、それを受け取り安定させるための許容能力は、受けとる本人の肉体とオーラの全レベルがどれだけ浄化され満たされているか、 つまり人間として健康で充実した人生を生きているかに比例するのです。

 「これさえ受ければ、あとは何もしなくとも」というよう なアチューンメントやエネルギー伝授、「イニシエーション」の類いは存在しません。そのようなことを主張して商売にする人があるとすれば、それは現代人の 精神の幼さに巣食うニューエイジビジネスの一環と呼ぶしかないでしょう。(1996)

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