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フランツ・バードン 20世紀の最良のアルケミスト

フランツ・バードン
20世紀のアルケミスト、近代ライトワーカーの先駆け

 今回は、近代ライトワーカーの先駆けとも言える、チェコスロヴァキアのアルケミスト、フランツ・バードン(1909 - 1958)について紹介しておく。

 バードンは20世紀有数の優れたアルケミストであり、彼の体系は近代の魔術やアルケミー研究者によって借用されているが、バードン本人の名前や存在は、一般にはほとんど知られていない。

 彼の体系の中には、伝統的な西欧魔術に根ざす知識や方法論も含まれているが、道教、チベット神秘主義やヴェーダ哲学などの東洋思想にも造詣のあったバードンは、その宇宙観や哲学の中から普遍的な部分を汲み上げ、伝統的なアルケミーの方法論と組み合わせて、一つの体系を作り上げた。

 重要なのは、彼が魔術を「魔術師の意のままに外的な世界を支配する方法」としてではなく、「自らの内なる光につながり、強め、それを顕現させるための道程」として明確に捕らえていたことである。

 この点で、彼はいわゆる古い形の魔術師の系譜から一線を画し、魔術師・アルケミストと近代のライトワーカーの中間に位置する、あるいは近代のライトワーカーの先駆けだったとも言える。

 同時に彼は、教団やロッジに属することを修行の条件とした当時の魔術のシステムから離れ、まだ適切な教師を見つけていない真剣な志願者のための修行体系を作り上げ、著作を通して公開した。これは今でこそそれほど珍しくないが、当時は型破りな行為だった。

 もちろん、その修行は、現代の「誰でもできるお手軽○○」とは比べようもない、自己規律、道程へのコミットメント、長期の鍛錬を前提とするものだ。

 しかし当時の魔術界に広がっていた芝居がかった、おどろおどろしい部分をすっぱり切り捨て、自らの体験と実験をもとに、ひたすら実用性を重視して整理された体系という意味では、彼のシステムは、W. E. バトラーのそれと並び、きわめて近代的と言える。

バードンの生涯

 バードンは、アレイスター・クローリーのような自己顕示型の魔術師の対極にあり、自分自身のことについてほとんど書き残していない。そのため、彼の生涯についての情報は非常に限られている。

 1909年、現在のチェコスロヴァキア生まれ。父親は熱心なキリスト教神秘主義派の信者。成年になってからは最初は技師として働き、また1920年から1930年の一時期、「フラバート」の名前で奇術師としても舞台に立ち、それなりの人気を博した。

 1930年、ヒトラーとナチスが権力を握り、当時のチェコを含むドイツの支配圏では、黄金の夜明け団やフリーメイソンの活動が禁じられ、メンバーが迫害、拘束、処刑され始めた。(ヒトラー自身は黒魔術教団テューレ協会のメンバーだったとされる。)

 このような状況下、バードンの弟子の一人が、破棄するよう言われていた書簡を破棄せず、それが当局に発見されて、バードンとその弟子は1941年末ないし1942年はじめに逮捕、投獄され、拷問を受ける。その過程で精神的に追いつめられた弟子は、獄吏に魔術をかけようとして銃殺される。

 バードン自身はヒトラーから、魔術を使って戦争に勝つのを助ける条件でナチス政府における地位を約束されるが、それを拒み、3年半の間、収容所で過酷な拷問にかけられた。

 1945年、終戦の直前、バードンは死刑を言い渡される。しかし刑の執行前に収容所が爆撃で破壊され、ロシア人の捕虜らに助けられて逃亡し、終戦まで身を隠した。

 終戦後、故郷に戻ったバードンは、ナチュロパス(自然療法医)として、アルケミーとヒーリングの活動を再開し、またアルケミーの教えを普及することに努めた。

 優れたヒーラーでもあった彼は、アルケミーの方法論に基づく治療法と植物から作った薬で進行性のガンも治すことができたとされる。他方でこれが医師らの妬みと反感を買い、後の政府への密告につながったとも言われる。

 1956年、著書を出版し、多くの人が国外からも彼を訪れるようになった。

 しかし当時のチェコ共産政府は異端分子の激しい粛正を行っており、フリーメイソンや魔術の研究者もその対象になっていた。

 バードンは、レメディを作るのに「用いたアルコールについて税金を払わなかった」として、また「西側と通じスパイとして働いた」罪で告発され、1958年7月に逮捕。その後、刑務所の病院で「普通でない状況で」死亡した。

 バードン自身は「どのような魔術ロッジや教団にも属していない」と主張していたが、ある資料によれば、20世紀前半にドイツに広がっていた「土星同胞団」ロッジのメンバーだったとされる。同胞団はナチスの弾圧により1933から37年頃に閉鎖され、1950年に復興されている。

 バードンは、アルケミストの修行において、以下のような点を強調した。

 四大元素を使いこなすためには、自分自身の中の四大元素を調和し、制御しなければならない。そしてまた集中力、意志の力、揺るがない確信が必要である。

 自分自身の中の特定の元素が弱かったり強過ぎたりすると、どれほど四大元素に働きかけても、大きな結果を得ることができない。

 このため、実際のアルケミーの作業に取り組む前に、深く自己を観察、分析する習慣を身につけ、実践することが必須である。

 一定期間にわたり、容赦なく正直に自己を見つめ、行動のパターン、長所と欠点について記録する。そしてこれらを四大元素のカテゴリーに基づいて分類し、理解することが、自己の内的バランスを築く最初のステップになる。

(『ヒーラー&アルケミスト』2006年3月号に掲載、2014年6月加筆)

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