11. 予知と預言 透視

占星学について思うこと 魚座から水瓶座へ

 「星占いは迷信だ」と言う人がいる。

 TVや雑誌でおまけについてくる「今日の運勢」みたいなものは、確かにたわいないと言われても仕方ない。太陽宮(「あなたは何座」という時のあれ)で、「今日の運勢」や「恋の相性」を断言する決めつけに、いいかげんさを感じる人は多いだろう。

 私もあんなものは当たる方が不思議だと思う。

 すべての人の運勢が12種類に分けられるほど、人間も人生もシンプルなものではない。こういった極度に単純化された「星占い」の類いと、本来の「占星学」は、はるかにかけ離れたものだ。

 占星学は、三千年以上の歴史をかけて発達してきた、体系的な人間理解と経験的、統計的データの積み重ねからなるもので、人間理解の方法論としては、深層心理学やユング派心理学とつながる部分もある。

 「星占いは迷信」と決めてしまう人は、ほとんどの場合、体系だった占星学の全体や、その奥行きのある人間理解の方法論などを学んだことはないのではないかと思う。

 もう少し踏み込んで「惑星の位置や角度が、人間の性格や運命に影響を与えるなんて信じられない」という人もいる。

 私も「惑星の位置や角度が、引力とか何らかの物理的なメカニズムを通して人間に影響を与える」といったストレートな因果論を信じているわけでもない。

 むしろ、占星図に描かれる惑星の位置や角度といった様相は、われわれが生まれ持ってきた傾向性を共時性に示す、いわば「象徴的な魂の地図」として捕らえている。

 「どうしてそういう対応関係があるのか」と訊かれたら、それが宇宙の仕組みのようだと答えるしかない。

 アルケミー(精神的錬金術)の第一原則「As above, so below(天上にあるがごときに、地にもあり)」の言葉からも知られるように、アルケミストとは、この宇宙の仕組み(法則性)を確信し、それをもとに生きる人々のことだ。

 古代には、天文学と占星学は分割されていなかった。近代化学(Chemistry、ケミストリー)が中世の錬金術(Alchemy、アルケミー)から派生したのと同じように、近代天文学は、古代の天文占星学の子孫だ。

 古代の人々は経験的に星回りと人間の性格や行動、社会的事象などの相関関係に気づき、天文占星学者たちはそのデータを集め、体系づけてきた。

 時の支配者は治政に、一般の人々は農作に、その他さまざまな領域でその知恵を借り、現実的な結果を得られることで占星学を支持し、支えてきた。その結果として、長い歴史をもった現代の占星学が存在するという事実がある。

 社会科学とは、「法や国家、政治、経済などの社会的諸事象を科学的方法による観察・分析・考察を基にして、客観的法則性を把握し、各分野ごとの系統的認識を作り上げた学問」である(Wikipedia)。

 社会的事象を客観的に観察、分析し、法則性を抽出して系統的な理解にまとめてきたという意味では、占星学は社会科学と同じ足場に立つ。

 そして学問としての歴史の長さにおいては、ほとんどの社会科学の分野に優る。占星学には、何千年もの間に蓄積されてきた統計データがある。

 古代バビロニア、エジプト、インド、中国をはじめ、中南米でも、世界のあらゆる土地で人々は、天=惑星(ほし)と地=人間社会の相関関係に気づいて、データを集め続けた。そのいわば経験値と統計的なデータの集積が、体系としての占星学だ。

 ここまで書いてきたが、私自身は占星学の専門家ではない。天文歴も繰(く)るし、惑星の位置や角度も読むが、私にとっての占星学との関わりは、あくまでアルケミストの視点と立場からだ。

 

アーキタイプとしての黄道十二星座

 黄道十二星座や惑星には、ユング心理学でいう「アーキタイプ(元型)」としての側面もある。

 アーキタイプは、人類の普遍的無意識(集合深層意識)の中に存在する。それ自体は「力動の作用点」であるが、心的エネルギーを通して人の意識や自我に影響を与えるとされ、それが心に働きかける時、しばしば特定の「像(イメージ)」として顕れる。

 世界各地の神話や宗教、伝説などには、とてもよく似たイメージやキャラクター(登場人物)、あるいは物語のパターンがあることが、神話学者や民族学者によって知られている。

 ユング心理学では、これは、そのもとになるアーキタイプ(元型)が人類の普遍的無意識に存在し、共有されるからだと理解する。 アーキタイプ的イメージは、部族や民族に共有される心的イメージや、個人の夢にもあらわれる。

 ユング心理学で扱われるアーキタイプには、「英雄」「老賢者(知恵者)」「太母(母なる生命原理)」「トリックスター(いたずら者)」「アニマ(内面の女性)/アニムス(内面の男性)」「永遠の少年/少女」などがある。

 アーキタイプやアーキタイプ的象徴(シンボル)は、集めると事典になるくらいたくさんがあるが、ヒーリングに関係するところでは「ヒーラー」「傷ついた癒し手」や「救出者」。また「魔術師」「アルケミスト(魂や物質の変容をもたらす者)」などもアーキタイプとして見ることができる。

 黄道十二星座も、これらと並ぶアーキタイプ的な働きをもつ。またギリシャ神話の神々は古典的なアーキタイプ像をなすが、占星学で用いられる惑星の性質は、これらの神々のアーキタイプ的性質に帰属されている。

 私自身の視点からは、フラワーエッセンスで扱う花やエッセンスの定義像もまたアーキタイプである。

 自分やクライアントのためにフラワーエッセンスを選ぶ作業は、花と人間の魂の間で共有され、あるいは共振しあうアーキタイプ像を探し当てることだ。

 

☆ アーキタイプ(元型)について、より深く理解したい人は(推薦書席)...

 ・『錬金術と無意識の心理学』C. G. ユング

 ・『元型論』C. G. ユング

 

時代のアーキタイプ:魚座から水瓶座へ

 さて、この十二星座のアーキタイプを民族、国や時代などに当てはめて理解と分析を行うことも、占星学では行われてきた。

 時代のアーキタイプは、天の春分点にどの黄道十二星座が位置するかで決まる。春分点は約2000年に30度=星座1つ分移動するので、社会は2000年あまりの時代期間にわたり、1つの星座のアーキタイプ的テーマや特徴に沿って展開するという理解になる。

 現在はこの春分点がちょうど魚座と水瓶座の境目にあって、水瓶座に移行するあたりにあるので、「魚座から水瓶座の時代への移行期」という言い方をする。

 1960年代にはやった「水瓶座の時代(Age of Aquarius)」という歌や、1980年代にポピュラーになった「水瓶座革命」なんて本のタイトルもここから来ている。

 私は1990年頃から、「訪れつつある水瓶座の時代」という視点で時代や社会現象、社会の変化などを観察してきたし、講座や記事の執筆も行ってきた。

 その経験から、この目まぐるしく変化する時期に、去りつつある魚座の要素(社会の中で壊れ、また失われてゆくだろう要素)と、訪れつつある水瓶座の要素(新しい世代や社会の中に形をとりつつある要素)について理解することは、自分自身と社会の行く先について理解を深め、より賢明で効率良く生きていくために役立つと考えている。

エネルギーの海 スピリット通信』2008年2月5日号(vol. 17)

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予言と予測、どう扱うか

 「2006年、予言と予測、どう扱うか」というタイトルで3回に分けて掲載した記事からの抜粋。もとの記事には、現在「ホットな」(公に活動中でメディアによくありあげられる)予知能力者についての情報・分析や、予知能力者ごとの2006年の具体的な予測リストなども入っている。

予言と予知能力者ウォッチング

<パート1>

 私の非公式の趣味の1つは「予言ウォッチング」。マスコミに出たり、アメリカの精神世界で噂になるような、ある程度評判の確立された予知能力者や透視能力者の予言・予測の類を読んで、それが当たるのかどうかをトラッキングしている。

 何年にも渡ってこういう作業を続けていると、単独の能力者の予言に耳を傾けることには実用性はないということがよくわかる。はっきり言えば、マスコミで取りあげられるような有名な人でも、当たりよりは外れの方が圧倒的に多い。

 したがって、具体的な事柄や出来事についての予言や予測を信じて行動を決めようとすることは、ロスの方がずっと大きい。

 また、能力者の精度にも波がある。一時期冴えていた人がいつまでもそうであるとは限らず、歳をとってか有名になってお金が入り過ぎてか、毎年だんだん予知の内容がいい加減なものになっていく人もある。

 霊媒としてのシルヴィア・ブラウンはなかなかよいとクラスで触れたことがあるが、予言・予測の分野での彼女の成績はいたって頼りない。

 日本で言えば女性週刊誌にあたる類のメディアに、自然災害から芸能人の結婚・離婚に到るまで、いろんなことを予言するのだが(芸能界のことは私はわからないのでともかく)、社会や世界情勢の予測に関しては大半が外れている。「当たり」の項目もその多くは、別に透視や予知能力がなくとも、その分野について勉強している人なら誰でも言えるような内容だ。

 最近注目している予知能力者にはショーン・モートンがいる。彼は実際にその道のプロというに価する数少ない人で、ごまんといる「予知能力者」の間でも精度は高く、「ズバリ当たっている」と言えるような予知もずいぶん出している。しかし、その彼にしてもやはり外れも相当数ある。

 つまりトップクラスの予知の専門家にしてもなお、特定の予測や予知が「当たりになるか外れになるか」は、実際にことが起きてみるまでわからない。だから、個々の能力者の予測や予知の内容をいちいち気にすることで、実質的に得られることは何もない。

 これが長い間、予知能力者や透視能力者をトラッキングしてきた私の結論だ。

 自分自身のことに限れば、必要なことはスピリチュアルガイドから与えられるのだから、脇目を振らずに「自分にとってやるべきこと」をこつこつとこなしていくのが、生きていく上ではもっとも効率がよい。世界がどうなろうと、自分はいるべき場所にいるだろうという確信がある。

 それがわかっていてなぜ予知の類を読むのかと言えば、「何が高い精度を生むのか」「普通の人間が透視能力を育てていくのに、精度を高めるにはどうするのがいいのか」ということに興味があるから。つまり、予知内容よりそのパターンを研究するメタ予知学といってもいい。

 いわゆる予知能力者や透視能力者の人たちが、その能力に応じて大なり小なり、地球のリズムや人類の集団意識のエネルギーを感じとっていること自体は間違いない。ただそれを自分個人の意識に入れ、具体的な予知にする時点で、人間としての視点や理解のレベル、偏り、感情レベルの明晰さなどが影響を与えるのだ。

 シルヴィア・ブラウンの社会や世界情勢、科学・医学の分野での予測が当たらないのは、これらの分野で彼女の知識が比較的浅いことと明らかに関係している。加えて、40年以上プロの霊媒として食ってきたという自負があり、自分の感覚を絶対視するあまり、予知や予測の土台となるデータ収集を行わなくなっていることもあると思う。

 霊媒・新宗教運動のリーダーとしてのブラウンは、やはり大した人であることに変わりはない。(ただし、最近量産されている本がどれも明らかにゴーストライターによる水増し本であるのは、何とかして欲しい)。

 それに対して、モートンの予測の精度の背景には、彼がずば抜けた勉強家であり、政治や世界情勢からさまざまな科学分野に到るまで、常に新しい情報を詰め込んでいること。そして予知や予測の分野で働く何人もの専門家(ヴェーダ系占星術師から金融アナリストまで)を集めて、ブレインストーミングをしながら、それを自分の予知能力と組み合わせて予測を練っていくことがある。

 つまり、モートンの予知の精度は、彼自身の才能と研究努力に加え、複数の専門家の知識と直感に支えられている。

 モートンの場合に限らず、複数の人間による予知の内容を、具体的な個々の出来事としてではなく、「トレンド、流れ」としてトラッキングしていくと、大きな範囲で今、地球と人類の意識の中で何が起きているかの流れが見えてくる。

 グループの器を通して作業を行っていくことは、水瓶座時代のパラダイムに沿った方法論として重要な点でもある。

 同じようなことは、元陸軍将校で、CIAでの遠隔透視訓練を経て「超能力スパイ」として働いた経験のあるデーヴィッド・モアハウスも言っている。「一人が得るデータが数パーセント程度の精度だったとしても、何人ものデータを集めて重ねれば、十分実用性のあるものになる」。モアハウスはさらに「単独 でしか作業をしない遠隔透視者からは、実際に役に立たつデータは得られない」とまで言い切る。

 これは、先のクラスでグループ・ガイダンスの実習を行った人たちには、実感があるだろう。グループが一つの目的や与えられたテーマに意識を向け、情報やメッセージを得るよう努めると、一つ一つの情報自体は断片のようであまり大したことがないように見えても、全部を合わせてみた時に、明らかに大きな全体像があり、個々のメンバーは間違いなくその全体像にアクセスしているのだということがわかる。

 グループでのガイダンスや透視実習は、この先も工夫を加えながら続けていく。グループでの作業はまた、個々の透視やリーディング能力を磨いていくのにも最適の器である。同じテーマについて他の人が得た内容を聞くことで、自分の偏りや盲点などに気づいて、受け入れるデータの幅を広げていくことができるからだ。

<以下略>

<パート2>

<前半略>

2012年の地球規模の変革

 未来学者ポール・ガーシオは、物理学者のジョージ・ハート博士とともに、占星術ベースのコンピュータ分析・予知プログラムMERLIN(マーリン)の創設者。MERLINの特徴は、具体的な予測はできないが、個人や国が大きな変化を通過する時期をかなりの精度で予測できる点にある。

 MERLINについて興味深いのは、長期的な統計データだ。その分析統計によると、2012年には地球規模で、割合的に3人に2人の人が大きな人生の変化を経験するらしい。

 逆に言えば、地球、地域、あるいは個人規模で大きな変革を行いたいと思っている人は、その時期をターゲットにするとよいということだ。

 大きな波が訪れることをあらかじめ予測した上で、それに乗って、通常では可能ではないような大きなシフトを起こすために今から準備をする、というのが、こういう予測の正しい使い方。

<以下略>

<パート3>

<前半略>

災害など、すべての状況における心構え

・恐れからとる行為はつねに間違っている。どんな時でも自分は自分のいるべき場所にいるのだと信じて、恐れや不安からではなく、賢明な注意深さをもって行動する。

・自分だけでなく、自分のまわりの人たち(とくに弱い子供や老人)を守るために何ができるかを考え、準備にもケアとサポートにもベストを尽くす。

・混乱状態での自分の役割(ヒーラー、ライトワーカー、アルケミスト、母親・父親・保護者...等)を考え、それを果たすにはどうしたらよいかをあらかじめ考え、自分の中にしっかり打ち立てておく。今からそれを行動を通して実行し始め、いざという時にその視点から行動できるようにしておく。

・すべての状況において、物心両面で互いを支え合えるコミュニティないしネットワークにつながっていることは重要。


予知データをどう生活に組み入れるか

 予知データをどういうふうに生活に組み入れるかということについての具体的な例として、私自身のスケジューリング方法について書いておく。

 私は例えば、水星逆行などの一般的なデータから、定評のある研究者の予測まで、占星学的なデータは一応チェックして概観する。しかしそれらに基づいて自分の予定を立てたり、変更したりすることはない。

 スケジュール調整の優先事項は、教育活動と各種のプロジェクトをいかに効率よく進めていくか。なので、自分では動かせない日程をカレンダーにふりし、あとはできるだけバランスと効率よく旅行と仕事ができるよう、1年くらい前からスケジュールを埋めていく。

 そしてそれ以外に行きたいところがあれば、これらの間を縫って入れられるところを探す。

 この際、外的な予知データはまったく配慮しない。

 そうして予定が決まってから、具体的な星の影響を見る。そして「この期間は手配ミスや通信のすれ違いが起きやすいので、あらかじめ十分に準備し、 二重、三重に手順を確認する」「この期間は肉体に疲れが出やすいので、体にかかる負担やストレスをできるだけ軽減するよう、スケジュールを軽めに調整す る」等とメモしていく。

 ルイ・テューリのような人が「3月、9月は旅行を避けろ」と言っても、今年の3月はどうしても春の花をカバーしたいので日本に行かないわけにはいかないし、9月にも旅行の予定を立てている。まわりはどうあれ、自分は行きたいところに行く、という感じ。

 そして水星逆行などの時期に入ったら、数字のミスや手配ミス、コミュニケーションの行き違いなどがあっても、それは外部のエネルギーの流れであって、自分の個人的ミスではないと割り切り、よけいな感情ストレスにしない。

 懇意の占星術師のパターン予測は、予測として使うよりも、後から自分の経験をふり返って内省分析する時の手がかりにすることが多い。

 予知能力者や占星術の予知や予測を視野に入れる利点の一つは、今起きていることが自分個人に関するものか、それともより大きな流れの影響なのかを見極める手がかりとして。

 それによって、その出来事(問題やチャレンジ)を、自分を見つめる材料にするか、それともさらりと受け流すかの判断がしやすくなる。

 また、自分自身が環境のエネルギーの変化を感じた時、それを他の人の予知や予測と照らし合わせることで、自分の感覚を確認するためのフィードバックとして使える。

 私はだいたい毎年12月には東京でクラスを教えるが、一昨年の12月については、どうしても予定を立てることができなかった。いくらカレンダーを見、教えておくことが必要なクラスをリストして、それに日程をふっていこうとしても、まるで目に見えない壁に阻まれているように、自分の中でGOサインがでない。それでこの年は12月のクラスがなかった。

 おりしもそれは「12月に東京で大地震が起きる」という噂がネットを駆けめぐっていた時らしくて、私の動向をチェックしていた人たちをプチ・パニックにさせたらしい。

 今となっては、自分の中のNOサインが地震に関するものだったかどうかは確認するすべくもない。しかし、必要な時にはいつでも自分の本能、高い自 己、ガイドからの介入があると思っているので、私のスケジューリングの方法は上記に述べた通り、プロジェクトとやりたいこと、そして効率優先である。

 ここで各自見ておくべきなのは、「自分を知る」ということ。

 つまり自分が、ちょっとした出来事も「共時性だ」「ガイドからのメッセージだ」と解釈 して大騒ぎするタイプと、基本的に鈍感なタイプの間の、どのあたりにいるのかを冷静に内省して知っておくこと。

 大騒ぎ傾向の人が予知や予測に注意を向け始めると、振り回されることで起きるエネルギーのロスは、明らかに無意味さを越えて有害な場合さえある。

 自分自身の中の中心点を、しっかりと据えること。人生と自分、高い力への信頼を育てること。そこから、予測や予知をもっとも賢明に使いこなすことができる。

(『ヒーラー&アルケミスト』2005年12月号〜2006年2月号)

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