目に見えない領域の影響
目には見えなくても、私たちの体調や気分、感情の波や頭の冴え方などに影響を与えるているものは、たくさんある。
まず物理的に測定できるものでは、高周波や超低周波。自分の体に合わない高周波や超低周波に集中的にさらされると、敏感な人なら、いらいらした り、集中力が落ちて考えをまとめづらかったり、頭痛や疲労を感じたりする。オーラフィールドが電磁場であることを考えれば、こういった影響はあって当たり 前。これは、目には見えないが物理的に測定可能な電磁波が、肉体、生体エネルギー、オーラフィールドに影響を与える例だ。
心理学に目を向ければ、「無意識」「深層意識」といったものがある。目には見えず、機材で測定することもできないが、人間の行動や感情経験を通して表れ、精神科や心療内科の精神分析治療や心理療法も、これらの存在を前提にしている。
「無意識」や「深層意識」の存在が医学の分野で受け入れられているのは、科学の方法論による。「無意識」や「深層意識」が存在すると考えること で、人間の行動や感情経験がよりわかりやすく、一貫性のある形で説明できる。そしてその方法論に基づく治療や心理療法で、人々が心の病などから回復してい くという実証的な事実がある。
最初にフロイトが「無意識」や「深層意識」といった考えを導入し、精神分析という治療法を提唱した当時は、あちこちから激しい批判を受けた。だが 100年後の今、それは確立された精神医学の知識になっている。フロイトの精神分析学とユング派などその流れを汲む流派は、心理学や精神医学を始め、文 化、芸術や社会科学、そして精神性の分野にも大きな影響を及ぼしている。
目に見えない世界 意識と物質のはざま
それでは、人間の魂を含む「目に見えない世界」(「霊的な世界」)の存在については、どうだろう。
「目に見えない(霊の)世界」と向かい合うにも、「物理的立場」と「心理学的立場」の大きく二つの立場がある。
「物理的立場」は、「霊的世界」も、外の世界に実際に存在するという立場。つまり「魂」「亡くなった人の霊」「スピリットガイド(守護霊)」など を、自己の外に物質的に存在するものとして考える。この立場をとる研究者は、たとえば、人が亡くなる前と後で体重を計り、その差から、生理的に失われる水 分やガスなどの重さを差し引くことで、「魂の物理的重量」を計ることを試みたりする。
「心理学的立場」は、それらを心の中の内的な経験として見る立場。「魂」や「スピリットガイド」などを、自己の内的経験として解釈する視点だ。た とえば「スピリットガイド」は、「自己」の中の高く賢い視点をもった部分(「高い自己」)、またはアーキタイプ心理学で言う「賢者」であって、ガイドとの コンタクトといった現象も、こういった内的経験が投影されたものだと理解する。
霊の世界を文字通り現実のものとして解釈するか(「守護霊は存在する」)、内的世界の経験として解釈するか(「守護霊として経験されるのは、自己の中の高い部分」)は、精神性の立場からは、実は、白か黒かのように互いに相いれない視点ではない。
神智学では、スピリットガイド(霊的導き手)を「Inner Teacher」(内的教師)、目に見えない世界やアストラル界を「Inner Realm」「Inner Plane」(内的な世界、領域)などと呼び習わす。
実際、アストラル界(オーラフィールドの第4レベル)と呼ばれる領域では、自分の内面の経験と外の世界や現象の区別が限りなくあいまいになり、あ る意味、意味をなさなくなる。これは神智学以外にも、多くの精神的教師や霊媒たちによって言われ、また伝統的なシャーマンや呪術師などの経験を分析しても 察っせられることだ。
シャーマンや呪術師たちは、アストラル界で作業(ヒーリングや祈祷、呪術)を行い、その結果は、物質世界に現れる。それは別の視点からは、自己の 内的世界で作業を行い、その結果が外の世界に現れることになる。このことを理解するのは、アルケミーの方法論について理解するためにも重要だ。
中世ヨーロッパのアルケミストの一部は、アルケミーを完全に物質レベルのことと理解し、いわゆる「錬金術師」として、物質レベルで卑金属を金に変 容させる方法を探すのに熱中した。他方ユングは、アルケミーの伝統や象徴をすべて心と内的世界の経験に還元し、アルケミーのプロセスは魂の変容プロセスの 象徴であるとした。
だが、アルケミーとはその両方なのであって、どちらか一方を無視しても全体像が見えなくなる。我々が宇宙の一部である限り、内的宇宙と外的宇宙の間には切れ目はなく、ただそれは我々の肉体と自我という薄い浸透膜によって、仮に区別されているに過ぎない。
この肉体や自我という「個」の境界が緩むのがアストラル界であり、だから私たちのハート、第4チャクラは、内的世界と外的世界の間の扉となる。私たちのハートが、自分以外の生命に向かって大きく開かれる時、同時に「目に見えないアストラル世界」への扉が開かれるのだ。
『エネルギーの海 スピリット通信』2008年3月27日号(vol. 18)
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