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October 09, 2019

英語講座『妖精の王国』ジェフリー・ホドソン


Clover_naturespirit2tw [ホドソンの記述をもとに描いたクローヴァーの妖精(色鉛筆)]

 

 旧メルマガ『ヒーラー&アルケミスト』に連載した「抜粋翻訳英語講座」の中から、ジェフリー・ホドソンのデーヴァとネイチャースピリットについての文章の翻訳。

 

(読みやすさのため改行を追加)

 

Geoffrey Hodson『The Kingdom  of Faerie(妖精の王国)』

 20世紀初頭に活躍した神智学系の透視家たちの中でも、自然霊(デーヴァとネイチャースピリット)に関する研究の分野で、ジェフリー・ホドソンの功績は群を抜いている。

 フィンドホーンの創設者の一人で、自然霊とのコミュニケーションをもっぱら担当したドロシー・マクリーンがホドソンの影響を強く受けていることは疑いがない。

 神智学系の透視家の重鎮レドビーターが、もっぱら人間のオーラやチャクラ、ガイドの存在などに集中したのに対し、ホドソンは世界各地を旅しなが ら、自然霊たちについて膨大な量の透視観察を集め、妖精などについての伝統的な知識と関連づけながら、自然霊の世界を整理、体系づけていった。

 もともとはヒンズー語起源の「デーヴァ(輝ける者)」という語に、現在の精神世界で用いられる意味を持たせた形で普及させたのも、ホドソンの貢献と言える。

 本書は1925年に執筆された小著だが、ホドソン自身の観察と経験に基づいて、デーヴァ、妖精、ネイチャースピリット、パーン(牧神)、デーヴァと人間の協力などについて綴られている。

 ホドソンの自然霊についての記述は壮大、優美だが、抽象的ではなく、彼の自然そのものに対する愛と観察力に支えられて、大地に根を生やしているように具体的で生き生きとしている。

 20世紀初頭のイギリス人の文章なので、文体はやや古びて読みにくいが、この頃に書かれた英語の精神系の著作には重要なものが多いので、こういう文体に も慣れていこう。実際、20世紀末に大量に出版されたニューエイジ系の書籍など、この頃の文献の単なる水増し焼き直しとしか思えないものが多かった。

 


 

(pp. 14-18, "Gnome and Deva"からの部分抜粋)

 

 「過去6か月、ノーム(地の精)一族の一人で、仲間たちに比べてより明らかな自己意識を身につけるのに成功していた個体が、我々に対してますます興味をつのらせているのに気づいていた。


 夏には彼はだいたい、我々が家から庭に入ると同時に現れるのだった。芝生の向こうの果樹園から走り出てきて、エーテルのエネルギーをぱっぱっと光らせて私の注意を引きながら。

 その頃、彼にはほとんど注意は払われなかった。

 しかし冬になってから、彼は家の中に入り始めた。

 暖炉を囲んで過ごす冬の夜の間、しばしば彼が部屋の中を遊び回っているのが見られた。窓から抜け出たり入ったりしながら、ちょうど人慣れした鳥かリスが示すほどの興味を我々に示しながら。

 彼には本当の愛情に近いようなものを持つ能力などなかったが、普段のたまり場を離れ、人間の家の中という慣れない環境で過ごすほどの十分な楽しみを、我々の社会に覚えていた。

 彼の環境をさらによく調べると、彼があるデーヴァによる特別な実験の対象にされていることがわかった。このデーヴァは、庭とそれを取り囲む何千本もの若い果樹が育つ果樹園の元素霊たちの守護者の役割を務めているようだった。

 このデーヴァは明らかに自分が保護する存在たちの進化を加速することに非常に関心があり、彼の態度は、動物か植物を特別な処置のためにあれかこれ かと選ぶ、飼育者か園芸家のそれととてもよく似ていた。彼はこのノームが我々と親しくなっているのを観察し、その事実を利用することに決めた。

 その結果として、まねをしたがる自然な傾向性が、このノームの中で非常に増加したように見えた。」

 

辞書から得られない表現と単語の解説

deva
「デーヴァ」。原義はヴェーダ系の文献の中から「光り輝く者」。神智学系の透視能力者や研究者によって、自然霊の秩序の中で特定の役割 をもった存在に与えられた分類名称。デーヴァたちの仕事の一つは、自分が担当する種の進化の青写真(テンプレート)を保持すること。

elemental life, the; elementals
「元素霊」。ここでは「ネイチャースピリット」と同義。デーヴァ同様、自然霊の秩序の中で特定の役割をもった存在に与えられた分 類名称で、ネイチャースピリットの仕事の一つは、デーヴァの保持する進化の青写真に沿って、実際にその種の個体を育て、手入れすること。


quickening
「(進化の)胎動」。進化を加速するような内的衝動。

 



(p. 28-29, "Fairies"からの部分抜粋)

 

 「実際にクローヴァーに働きかけているものは、その中に沈み込み、その植物のアストラル体と融合し、45センチから60センチほどの面積を覆った。彼ら はこの状態にしばらくとどまり、それから飛び上がり、しばらく宙を漂い、野原の別の部分へと飛んでいって同じプロセスを繰り返した。

 この野原は2エーカーほどの広さで、少なくとも百ほどの妖精たちがそこで働いていた。彼らの仕事の効果の一つは、この野原に生まれている植物の集団魂のアストラル・レベルの意識の胎動を、その(自分たちの働きかけている)部分で早めることだ。

 明らかに、開花の時期に達した時、植物に宿っている意識はもっとも活発な状態にある。そのため植物は、デーヴァのヒエラルキーのメンバー(元素霊 たち)から与えられる刺激に非常によく反応する。まるで植物の意識が妖精に向かって伸び上がろうと一生懸命の感じさえする。そして確かに進化のプロセスの 胎動がある。

 何名かの妖精たちが今度は、先ほどから私が記述している特定の球体のまわりで踊っている。その輝く大気を浴び、その美について深く物思いにふけることに明らかな喜びを感じながら。」

 

辞書から得られない表現と単語の解説

astral double
astralは普通の辞書では「天空の」とか「天体の」とかいう訳しか載っていない。ここではもちろん「アストラル体」。古い訳語では 「星気体」とも言った。doubleは「肉体そっくりの写し身」といったようなニュアンスで、エーテル体をetheric doubleと言うのと同じ

ensouling
「魂が宿る」「魂を入れる」

hierarchy
「ハイアラーキー(ヒエラルキー、ヒエラルヒー)」。ヒエラルキーは「階層組織」。自然霊たちの存在が高度に秩序だった階層状の系統をなしていることから、彼らの世界をこう表現する

 



(pp. , "The Deva"からの部分抜粋)

 


 「(コツウォールド谷のデーヴァ)初めて見た時、彼は3メートルほどの高さに見え、そのオーラは、彼の姿からおよそ100メートルほどの距離にあらゆる方向に向かって輝いていた。

 しかし我々の会話の後、彼は、自分のオーラが谷を横切って向こう側に届くまで、そして谷を流れる小川に届くまで、広げ延ばした。それから谷を下に 向かってゆっくりと移動し、その中のあらゆる生き物に触れ、それぞれに彼自身のすばらしい活力に満ちた生命の力を分け与えていった。

 彼の顔は高貴で美しく、その目はまばゆいほどに明るく、目と言うよりは二つの力の焦点のように見える。これらは我々の目と同じ程度には、考えや感情の表現のために使われるのではないからだ。

 善意のある歓迎が表現され、それは開いた唇からのほほえみを通してだけでなく、その物腰全体を通して行われた。彼はちょうど浄化と胎動を引き起こす力を谷全体に投げかけるのと同じように、その歓迎を我々の上に輝かせた。

 彼の性格は、デーヴァの生き生きとすべての制限から自由である感覚と、他者への優しさ、深い気遣いと愛という人間的能力のまれな組み合わせだ。

 私は、谷におけるすべての誕生と死は彼に知らているに違いないと感じる。そしてその両者に伴う痛みは、彼によって、その力で可能な限りやわらげられると。

 というのは、私は彼のオーラの中に記憶の形を見るからだ。その(記憶の)中では、彼が今死んだばかりのものたちの魂を自分のまばゆい輝きの中に受け入れ、保護し、安らぎの場所へと導くのが見える。

 彼はまさにこの谷の守護天使であり、彼に見守られて住む者は幸せである。」

 


 

コメント

 最初のパラグラフは、自然霊の秩序の中でのデーヴァとネイチャースピリットの関係を示す興味深い観察の一部。二番目は野原でクローヴァーの開花期に仕事 をするネイチャースピリットたちの仕事ぶりの記述。最後はコツウォールド谷のオーヴァーライティング(全体を見守る)デーヴァについての、美しく見事な記述。

 私自身がホドソンの観察記録を読むのがとりわけ好きなのは、一つには、ホドソンが観察し記述した自然霊たちの行動や存在感、彼らの内的プロセス(「考え方・感じ方」)や行動パターンなどが、自然霊について自分が観察してきたこととそっくりだからだ。

 私自身の自然霊たちとの経験はホドソンを読み始める前にさかのぼるが、それは、それまでに読んでいた他の文献に描かれている自然霊たちのイメージや記述と必ずしも同じでなかった。

 しかしホドソンを読んだ時、彼が見ているのが明らかに自分が見ているのと同じ「世界」であることが感じられ、それはなかなかうれしかった。

 それにしてもホドソンの文章を読む時、ただひたすら自然を観察し続け、その背後に動く摂理に気づくことで、人は、ここまで生についての智恵と愛に目覚めることができるのだという感慨にうたれる。

 

(原文の著作権は失効していますが、翻訳文には二次的著作権が発生します。王由衣/School of Healing Arts and Sciences ©2019. All Rights Reserved.)

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