エドワード・バック(バッチ)「癒しをもたらす12の植物とその他のレメディ」(全文訳)
原典に触れる、原点に帰る
『The Twelve Healers & Other Remedies』(1933年)は30ページの小著ですが、数少ないバック医師本人による文章として残っているもので、フラワーエッセンスを学ぶ者にとってはもっとも重要な文献の一つです。
これを読んでいると本当に、原典に触れること、そして原点に帰ることの大切さを思います。
「オリジナルの定義はこんなにシンプルだったの?」という感じですが、しかしシンプルな分、核心をついて、それぞれの花に対応する性質をもれなく、無駄なく、的確に表現しています。
原著は著作権保護期間が終了しているので、原文から訳出して内容を紹介していきたいと思います。底本は1936年出版のC. W. Daniel Co.版です。
記載の学名は原著でバック医師が巻末に挙げているものです。最近の分子系統学の進歩によって、現在の学名と違うものもかなりあります。このへんの分類と学名変更の詳細や、またレメディの性質の私自身の独自解釈については、オンライン「フラワーエッセンス基礎講座 I & II(マテリアメディカ編)」で話をしています。
またバック医師がなぜ、人生の終わり頃にエッセンスを太陽法ではなく、煮沸法で作ったのかについての考察はオンライン「フラワーメディスン講義」でとりあげています。
(なお翻訳文には新たに二次的著作権が発生しますので、引用・転載する場合は訳者名の記載をお願いします。)
*Wikipedia 著作権の保護期間、および二次的著作物の著作権について
英文の原書はこちらで読めます。
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『癒しをもたらす12の植物とその他のレメディ』
Edward Bach/エドワード・バック
序文
記録に残らぬような昔から、病気の予防と治療の方法が、神意なる配慮によって、大いなる自然の中に配されたことが知られている。それは神聖な力によって強められた薬草や植物、樹木という形で与えられた。
大いなる自然のレメディ(治療薬)の中でも、その慈悲の働きにおいて、明らかに他より優れたものがあり、それらがこの本でとりあげられている。これらのレメディには、あらゆる種類の病(やまい)や苦しみを癒す力が与えられている。
これらのレメディを用いて患者を癒すのに、病の性質自体には注意は払われない。癒されるのは「人」そのものであり、人がよくなるにつれ、病は去る。健康さが増すことで、病は追い出されるのだ。
同じ病気でも人によって異なる影響があることは、誰でも知っている。癒すことが必要なのはその影響の方だ。なぜならそれは、病気の本当の原因を教えてくれるからだ。
心は体のもっとも繊細で敏感な部分であって、病気のはじまりとその過程を、体よりもずっとはっきりと表す。であるから、「心がどうなっているか」ということが、必要なレメディを選ぶための手がかりになる。
病気の時には、普段の生活の時とは異なる気分の変化がある。よく観察している人は、この変化をしばしば病気になる前、
時にはずっと前に気づくことができる。そしてレメディによって、病気として表れる前にそれを防ぐことができるのだ。病気になってすでにしばらく経っている時にも、病む人の気分が、正しいレメディへの手がかりである。
病には注意を払うな。病にある人の人生に対する態度だけを考えよ。
この本では、38の異なる心の状態が簡単に記述されている。本人にも、あるいは他の人にも、現れている状態(または複数の入り交じった状態)を見分け、癒しをもたらすのに必要なレメディを選ぶのは難しくないはずだ。
この本の『Twelve Healers(癒しをもたらす12の植物)』というタイトルは、多くの読者になじみのあるものなので、[改訂版として38種類のレメディを含めた本書の発行にあたっても]そのまま残された。
12種類しかレメディが見つかっていなかった当時でも、人々の苦しみが確実に軽減され、有益であったので、公にすることが必要だと判断されたのだ。それから他の26種類が発見され、シリーズは完全なものになった。最初に見いだされた12種類は、巻末のリスト中、*で示されている。
[序文、ここまで]
この後、各レメディの簡潔な紹介、服用方法、レメディの生成方法が続きます。
レメディ、およびそれを与えるための理由
38種類のレメディは以下の7つのカテゴリに分類される。
1. 恐れ
2. 不安
3. 現在の状況に十分な興味がもてない
4. 孤独
5. 他者の影響や考えに過敏
6. 落胆と絶望
7. 他者の幸せを心配し過ぎ、面倒を見ようとし過ぎる
恐れがある
*ロックローズ Helianthemum Vulgare ハンニチバナ
救出用のレメディ。緊急時に用いるレメディで、まったく希望がないかのように感じる場合に。事故や突然の病気、あるいは患者が非常に恐がったり怖れている時、あるいはまわりの人間に非常な恐れを引き起こすほど深刻な状態の時。
患者に意識がない場合は、このレメディで唇を湿らせる。
他のレメディも合わせて用いることが必要な場合もある。例えば患者が無意識で、深く眠りのような状態にある場合にはクレマティス。激しい苦しみがあるならアグリモニ、など。
*ミムルス Mimulus Luteus ミゾホオズキ
世俗的なこと、病気、痛み、事故、貧困、暗闇、孤独、不幸に対する恐れがある。毎日の生活の中でのさまざまな恐れ。静かに密かに自分の恐怖に耐え、それについて他の人に自由に話すことができない。
チェリープラム Prunus Cerasifera ベニバスモモ
自分の心が極限を超えて張り詰め、理性の制御がきかなくなり、恐ろしくひどいことをしてしまうと恐れる。そういったことを望んでおらず、間違っているともわかっているのに、その行為について考えたり、やってしまいたい衝動に駆られる。
アスペン Populus Tremula ヨーロッパヤマナラシ
ぼんやりとした原因のわからない恐れ。この恐れについては説明もつかず、理由もわからない。
本人は「何かひどいことが起きる」という恐怖に駆られるが、それが何なのかわからない。
この形がなく説明のつかない恐れは、昼と夜とをつかず襲うこともある。
本人はしばしば、自分のこの悩みについて他の人に話すことも恐くてできない。
レッドチェスナット Aesculus Carnea ベニバナトチノキ
他の人々のために不安に感じることを、どうしても止められない。
たいてい自分のことについて心配するのは止めているが、自分にとって大切な人について非常な不安に苦しみ、これらの人々に不幸な出来事が襲いかかるという不安を頻繁に感じる。
不安に悩む
*セラトー Ceratostigma Willmottiana セラトー
自分で決断を下すだけの充分な自信がない。
つねに他の人からアドバイスを求め、そしてしばしば誤った方に導かれる。
*スクレランサス Scleranthus Annuus スクレランサス
2つのものの間で、どちらかに決めることができずに非常に悩む。最初のものがよいように思えたかと思うと、次にもう一つの方がよいように思える。
たいてい物静かで、自分の悩みを他の人と相談せずに独りで耐えている。
*ジェンティアン Gentiana Amarella セイヨウリンドウ
簡単に意気をくじかれる。病気の回復が進んでいたり、日常の生活で物事がうまく進んでいたりしても、小さな遅れや邪魔が入ると、すぐに疑いを感じ落胆する。
ゴース Ulex Europaeus ハリエニシダ
非常に深い絶望。自分のためにまだ何かできることがあるという希望を捨てている。
説得されて、あるいは他の人を喜ばせるために、新しい治療法を試すかもしれないが、同時にまわりの人間に対して「よくなる希望はほとんどない」と言う。
ホーンビーム Carpinus Betulus セイヨウシデ
自分が背負っている人生の重荷を背負うのに、自分には充分な心または肉体の強さがないと感じる。実際には自分の役割をちゃんと果たすことができているのに、「毎日の仕事をやり遂げるのがあまりに大変だ」と感じる。
自分の仕事を楽にこなすことができるようになる前に、自分の中のある部分、心あるいは肉体が強くなる必要があると信じる人に。
ワイルドオート Bromus Asper スズメノチャヒキ
人生で何か大きな仕事を成し遂げたい、たくさんの経験をして、自分に可能な限りのことを楽しみたい、人生をフルに味わいたいと望む。
しかし望みが大きいため、すべての職業の中でこれといって自分を惹きつける仕事が見つからず、どんな仕事につくのがよいかを決めることが難しい。
これによって遅れが出たり、フラストレーションを感じることもある。
現在の状況に充分な興味がもてない
*クレマティス Clematis Vitalba センニンソウ
夢見がちで、眠そうで、完全に目を覚ましておらず、人生にたいして興味がない。物静かで、現在の状況にあまり満足しておらず、今よりも先の時間に生きている。自分の理想が現実になる、幸せな時がいつか来るという希望に生きている。病気になると、よくなろうという努力をあまり、あるいはまったくしないこともある。なかには死を待ち望むような場合もある。死んだら今より幸せになれると思っているか、あるいは喪った大切な人にまた会えるのだと思っている。
ハニーサックル Lonicera Caprifolium スイカズラ
多くの時間を、過去のとても幸せだった時、失った友人の記憶、あるいは実現しなかった大望などの中で生きている。この先、過去に味わったより幸せな時が来るとは期待していない。
ワイルドローズ Rosa Canina イヌバラ
一見して妥当な理由なしに、起こることすべてについて諦め、人生をただ流されるままに惰性で生き、物事をよい方に向けたり喜びを見つける努力をしない。人生の苦闘に降参してしまっており、文句すら言わない。
オリーヴ Olea Europaea オリーブ
精神的あるいは肉体的に非常に苦しみ、疲労困憊してうんざりしており、自分にはこれ以上の努力をする力が残っていないと感じる。毎日の生活は大変なばかりで喜びのない仕事だと感じる。
ホワイトチェスナット Aesculus Hippocastanum 西洋トチノキ
頭に入ってきて欲しくない考え、アイディア、議論などを止めることができない。このような時はたいてい、目の前のことについて、それで頭をいっぱいにしておけるだけの充分な興味がない。
心配な考えはいつまでも頭に残り、一時的に追い出すことができてもまた戻ってくる。それはぐるぐると回り続け、精神的な拷問になる。
こういった不愉快な考えが安らぎを奪い、その日の仕事や楽しみに集中する能力を奪う。
マスタード Sinapsis Arvensis ノハラガラシ
憂鬱になったり、絶望感を感じる傾向がある。突然、冷たく暗い雲が頭上を覆い、人生の喜びの光を隠してしまうように感じられ、どうしてそう感じるのか理由を挙げたり説明をすることができない。
この状態では、幸せそうあるいはうれしそうに振る舞うこともほとんど不可能である。
チェスナットバッド Aesculus Hippocastanum 西洋トチノキ(芽)
観察や経験から十分に学ぶことができず、日々の生活のレッスンを学ぶのに他の人より長くかかる。
ある人にとっては1度経験すれば十分なのに、このような人はレッスンを学ぶまでに2度、時には数度同じ間違いを繰り返す。
そのため、本人にとっては悔やまれることに、他の人を観察すれば失敗自体を避けらたか、1度の失敗で十分なはずのことでも、異なる状況で同じ失敗をする。
孤独
*ウォーターヴァイオレット Hottonia Palustris ウォーターバイオレット、ホトニア
健康でも病気の時でも、独りでいるのが好き。とてももの静かで、音を立てずに動き、あまりしゃべらず、しゃべる時も話し方は優しい。非常に独立心が強く、能力があり、自分を頼りにする。他者についての意見がほとんどない。人と親しくならず、他の人にかまわず、自分の道を行く。しばしば頭がよく才能がある。彼らの平安と平静さは、まわりの人々にとって恵みである。
*インペイシェンス Impatiens Roylei インパチェンス
思考や行動が速く、すべてのことがためらいや遅れなしにされるのを望む。病気の時には早く回復したくて落ち着かない。
「もたもたするのは間違っており、時間の無駄だ」と思っているので、そうした人に対して忍耐力を持つのが非常に難しく、その人がもっと早く動くようになるよう、あらゆる手段を尽くす。
すべてのことを自分のペースでできるように、一人で働いたり考えるのを好むことが多い。
ヘザー Calluna vulgaris ギョウリュウモドキ、ヒース
いつも誰かと一緒にいたく、一緒にいられるなら誰でもよい。これは自分の問題を他の人と話したいと感じるからで、その相手は誰であってもよい。少しの時間でも一人でいなければならないことがあると、非常に不満になる。
他者の影響や考えに過敏
*アグリモニ Agrimonia Eupatoria 西洋キンミズヒキ
明るく陽気でユーモアに富み、平和を好む。議論や喧嘩を嫌い、それを避けるためなら多くのことを譲る。
しばしば悩みを抱えて心配し、安らぎを感じず、その葛藤を心または体で感じているが、その心配はユーモアや冗談の裏に隠す。まわりからは非常によい友人と思われている。試練に耐えながら明るく見えるように、しばしば酒や薬を過剰に摂取して自分を刺激しようとする。
*セントーリ Erythraea Centaurium ベニバナセンブリ
親切で、もの静かで優しく、他の人のために役立とうと一生懸命で、そのため自分に過剰な負担をかける。
他の人のために役立ちたいという欲求が大きくなり過ぎ、進んで人助けをするというよりも奴隷のようになる。気が良いために、自分の役割以上の仕事を引き受け、それによって自分自身の人生の大切な仕事を怠ることもある。
ウォールナット Juglans Regia 西洋クルミ
はっきりとした人生の理想や大志があり、それを果たす途上にあるが、時に他者の熱意、信念、強い意見などによって、自分の理想、ゴールや仕事から引き離されそうになる。
このレメディは、外部からの影響に対して恒常性と保護を与える。
ホーリー Ilex Aquifolium 西洋ヒイラギ
嫉妬、ねたみ、復讐心、疑惑などにおそわれることがある。
いろいろな形の苛立ちに。
しばしば、不満に感じるべき理由がないのに、自分の中で非常に苦しんでいる。
落胆と絶望
ラーチ Larix Europea ヨーロッパカラマツ
自分がまわりの人と同じだけ能力がある、あるいは物事を成し遂げられると思えない人たちに。このタイプは失敗することを予期し、自分は決して成功できないと感じ、そのために思い切って何かをしたり、成功するのに必要なだけ努力することをしない。
パイン Pinus Sylvestris ヨーロッパアカマツ
自分自身を責める人たちに。このタイプは、自分が成功している時でも、もっとうまくやれたはずだと感じ、自分の努力や成果に決して満足を感じない。一生懸命働き、失敗を自分のせいにし、そのために非常に悩む。他の人の責任である失敗でも、自分のせいだと主張する。
エルム Ulmus Campestris ヨーロッパニレ
よい仕事をしており、自己の人生からの招命に従って、何か重要な仕事をしようと望んでいる。それはしばしば、人類全体のためになるようなことだ。
しかし時に、自分が背負った仕事はあまりに難しすぎ、人間の力で可能なことではないと感じて、憂鬱になる時期がある。
スイートチェスナット Castanea Vulgaris クリ
人によって、時に苦悩があまりにひどく、耐えきれないと感じることがあるが、そのような場合に。
心や体が耐えきれる限界まで耐え、もう折れそうだと感じるような時。
もう破壊と破滅に直面するしかないかのように思われる時。
スターオヴベツレヘム Ornithogalum Umbellatum オオアマナ
非常に困難な状況の中にあって、とてもみじめでつらい気持ちになっている人たちに。
悪い知らせや大切な人を亡くした時のショック、事故後の恐怖などを経験している時。
このような時に、慰めを受け入れられない人たちに、このレメディは安らぎを与えてくれる。
ウィロウ Salix Vitellina ヤナギ
逆境や不幸に遭い、不満や憤りを持たずにはそれを受け入れ難いと感じている人たちに。このタイプは人生の価値を、もっぱら、それがどれだけの成功を与えてくれたかで判断する。
そして、自分はこんな試練に価しないと思い、それを不当だと感じ、苦々しく思う。
しばしば、以前は楽しんでいた人生のいろいろなことに興味を失い、あまり活動もしようとしなくなる。
オーク Quercus Pedunculata ヨーロッパナラ
健康を回復するために苦闘し、全力で戦っている人たちに。また、そういった人たちの毎日の生活のできごとに関連して。このタイプは、たとえ回復の望みがないように見えても、次々と別のことを試し、戦い続ける。
病気のせいで自分の責任が果たせなかったり、他の人を助けることができないと、自分自身に対し非常な不満を感じる。
勇敢な人々であり、希望を失ったり努力を投げ出すことなく、大きな困難に対して立ち向かう。
クラブアップル Pyrus Malus リンゴ
これは浄化のためのレメディである。
自分の中で何か、どこかがきれいでないかのように感じる人たちに。それはしばしば、一見あまり重要に見えないことだ。別の場合では、重い病気を患っているが、本人は自分が気になっていることばかりに注意を向け、病気そのものの方はほとんど無視される。
そのどちらのタイプでも、自分の頭の中で、ある一つのものだけが自分にとって非常に重要であり、癒されるべきだと感じており、そのことを解決しようと必死である。
治療がうまくいかないと、非常に落胆する。
クラブアップル浄化のレメディとして、患者が自分の体に何か毒素が入り、それを排出しなければいけないと感じている場合に傷を浄化する。
服用方法
これらのレメディはすべて純粋で無害であり、量や回数の面で与え過ぎる心配はない。しかし服用して効果を得るには、最小限の量で十分だ。それが患者に実際に必要なものでなかったことがわかったとしても、レメディは害になることはない。
服用するには、ストックボトルから2滴ほどを、水で満たした小さなボトルにたらす。このボトルをしばらくもたせる必要がある時は、少量のブランディを保存のために加える。
このボトルを服用に用いる。必要なのは、これから数滴を、少量の水かミルクとともに、あるいはその他のとりやすい形でとることだけだ。
緊急の場合には、状態によい変化が見られるまで数分おきに服用できる。重い場合には半時間おき、慢性の場合には2、3時間おき。患者が必要に感じるかどうかによって、頻度は増減してよい。
気を失っている場合は、短い間隔で繰り返し唇を湿らせる。
痛み、硬直、炎症がある場合や、体の特定箇所に問題がある場合は、さらに塗布を加える。ストックボトルから数的をとり、これを器に入った水に落とし、布にしみ込ませて患部を覆う。必要に応じて時々湿らせる。
時に数滴のレメディを加えた水に浸したスポンジで[体を]拭いたり、
数滴のレメディを加えた風呂に入ることも役立つ。
レメディの生成方法
これらのレメディを作るのに、2種類の方法が用いられた。
太陽に当てるやり方
薄いガラスの器を、手に入る限り純粋な水で満たす。可能なら近隣の湧き水がよい。
植物から花を摘み、すぐに水の表面に浮かべる。花は水面をおおうだけ必要だ。これを明るい陽光の下に3時間から4時間、置いておく。花が色あせ始めたら、これより短い時間で止める。注意して花を引き上げ、水をびんに半分まで注ぐ。さらにレメディを保存するために、びんをブランディで満たす。
これはストック用で、直接これから服用することはしない。このボトルから数滴を別のびんに落とし、これを患者の治療に用いる。つまりストックからはたくさんの量がとれる。薬局から手に入れたものも、同じようにして用いる。
以下のレメディはこの方法で作られた。
アグリモニ、セントーリ、セラト、チコリ、クレマティス、ジェンティアン、ゴース、ヘザー、インペイシェンス、ミムルス、オーク、オリーヴ、ロックローズ、ロックウォーター、スクリランサス、ワイルドオート、ヴァーヴェイン、ヴァイン、ウォーターヴァイオレット、ホワイトチェスナット(花)。
ロックウォーター
昔から、ある井戸や泉の水に人々を癒す力があったことが知られ、こういった井戸や泉は、このような性質のために有名になっている。人を癒す力があると知られている、どの井戸や泉でも用いることができる。ただしそれが人工の構築物などによって遮られておらず、天然の状態に保っておかれていることが必要だ。
煮るやり方
上記以外のレメディは、以下のように煮ることで生成された。
材料は以下に記述するような形で集められ、きれいで純粋な水で半時間の間、煮られた。
液体をこして、びんを半分まで満たす。冷めたところで、保存のためのブランディでびんを満たす。
チェスナットバッド。このレメディのためには、ホワイトチェスナットの芽を、それが葉に開く寸前に摘んだ。
他のレメディについては、花に短い茎または枝をつけた形で摘み、若く新鮮な葉がある時にはそれも一緒に摘んだ。
この本に挙げられているすべてのレメディは、ヴァイン、オリーヴ、セラトを除き、イギリスに自然にはえているのが見られる。またあるものは、南ヨーロッパ、北インド、チベットなど他の国の真の自生種である。
それぞれのレメディの英語名と植物学名は以下の通り。
*Agrimony Agrimonia Eupatoria
Aspen Populus Tremula
Beech Fagus Sylvatica
*Centaury Erythraea Centaurium
*Cerato Ceratostigma Willmottiana
Cherry Plum Prunus Cerasifera
Chestnut Bud Aesculus Hippocastanum
*Chicory Cichorium Intybus
*Clematis Clematis Vitalba
Crab Apple Pyrus Malus
Elm Ulmus Campestris
*Gentian Gentiana Amarella
Gorse Ulex Europaeus
Heather Calluna Vulgaris
Holly Ilex Aquifolium
Honeysuckle Lonicera Caprifolium
Hornbeam Carpinus Betulus
*Impatiens Impatiens Royleii
Larch Larix Europea
*Mimulus Mimulus Luteus
Mustard Sinapsis Arvensis
Oak Quercus Pedunculata
Olive Olea Europaea
Pine Pinus Sylvestris
Red Chestnut Aesculus Carnea
*Rock Rose Helianthemum Vulgare
Rock Water
*Scleranthus Scleranthus Annuus
Star of Bethlehem Ornithogalum Umbellatum
Sweet Chestnut Castanea Vulgaris
*Vervain Verbena Officinalis
Vine Vitis Vinifera
Walnut Juglans Regia
*Water Violet Hottonia Palustris
White Chestnut Aesculus Hippocastanum
Wild Oat Bromus Asper*
Wild Rose Rosa Canina
Willow Salix Vitellina
* Bromus Asperには英語名はない。Bromusは「オート(カラスムギ)」を意味する古代語である。
むすび
すべてのものを創り出された偉大なる創造主は、その愛のゆえに、癒しをもたらす薬草を野に配された。このことに、我らのハートがつねによろこびと感謝で満たされてあるように。
註1 スクリーン上での読みやすさのため、必要に応じて原文にない追加の改行を加えています。
註2 [ ]内の句は訳者が補ったものです。
註3 記載の学名は原著でバック医師が巻末に挙げているものです。
註4 フラワーエッセンスやフラワーレメディは、ホメオパシーではありません。
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